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ぺチュキムチ
白菜キムチは、冬でも野菜を取れるようにと作られた食品だ。 白菜キムチは、科学原理である滲透圧を利用して作られている。 キムチを作る時は、まず白菜に塩を振って漬ける。その時、白菜の外の液体は塩水になり、白菜の中の水気は貯蔵液になる。 したがって白菜細胞の中の水気は滲透圧によって白菜の外にすり抜ける。 白菜キムチは主に寒い地方で漬けて食べるキムチで、汁が多く、塩辛くないのが特徴だ。 
おいしいキムチをつけるのに適した温度は、5~10゜cであり、期間は15~20日位がちょうど良い。 一旦 漬かったキムチはそれ以上、酸っぱくならないように気を付ける。 キムチの漬け汁は、重い石で押しておくと いつでも美味しく食べられる。
カットゥギ
大根を正六面体に切り、塩に漬けた後、唐辛子粉で和えてニンニク、生姜、あみの塩辛などで味付けをしたキムチ。カクテギの由来は、『朝鮮料理学』によると 200年前に正宗の壻である永明慰、洪顯周の奥方が君王に初めてカクテギを漬けて差し上げ、お褒めの言葉を受けたと言う。当時は、刻毒気と呼び、その後、一般庶民に広がった。唐辛子粉の代わりに、赤い唐辛子をすって使えば色合いもきれいで味ももっと良い。特に冬越し用キムチとして漬け込まれた。
トンチミ
丸ごと、または大きく切った大根を少し漬けてキムチ汁を多くし、薄味に漬けたキムチで、冬トンチミと春夏トンチミに分けられる。
冬トンチミは小さくて、辛味の水気が多い大根を選び、皮をむかずにそのままきれいに洗う。塩の上で大根を転がして、かめに入れて2日間そのまま漬けておく。この時、大根に塩が滲んで水気と大根の水溶性成分が放出されて汁が生じる
このようになったら、塩加減に合わせて水を足しニンニク、生姜の薄切りを入れる。なが葱は、丸ごとガーゼのような袋に入れて大根の間に挟んで浮び上がらないようにする。大根が平らになるよう少し押して平たくする。 ここに皮をむいた梨を入れればもっと良い味が出る。
春と夏に食べるトンチミは、大根を適当な大きさの四角形に切って、塩に漬けてからニンニク薄切り、なが葱ぶつ切り、赤い唐辛子を細長く切ったものなどを一緒に交ぜてかめに盛る。大根を漬けた汁に塩加減をみながら水を足す。ここにきゅうりと梨を一緒に入れれば色合いと味が良くなる。
オイソバギ(オイキムチ)
きゅうりに切れ目を入れて、中に薬味を入れて漬けたキムチ。 きゅうりを塩でもんで、きれいに洗った後、両端を切り落とし、長さにより、2等分または 3等分に切り、片側を十文字に割れ目を入れる。 これを軽く塩水に浸す。
なが葱、ニンニク、生姜、にら、たまねぎ、あみの塩辛、唐辛子粉を一所に和え薬味を作り、これをきゅうりの中に詰めてかめに入れる。
若菜を塩で漬けて辛く和えてきゅうりの上にのせ、塩水を足し、涼しい場所に置く。きゅうりの中に入れる薬味は、なが葱、にら、たまねぎなどを1cm位の長さの千切にして、あまり多く詰め込まないようにする。 あみの塩辛代わりに塩だけで和える風習もある。
チョンガッキムチ
葉のついた小さな大根のキムチ。チョンガとは、独身男性のことで、大根の葉が長く垂れ下がっているようすが、昔のチョンガーたちの髪形と似ていることから付けられた言葉だと伝わる。チョンガ大根は、歯ざわりがかたく、鼻につんとくる唐さがある独特な味の大根で韓国の土壌でしか栽培されない特産物だ。
  チョンガー大根は根元が上側より広がっていて、身が丸丸として、葉が青々と心もち短いものを選ぶ。
小さな大根は丸ごと使い、大きい大根は 半分か4つに割り、葉が付いたまま、アミの塩辛かいわしの塩辛で和えてつければ美味しいキムチになる。  チョンガ大根をきれいに洗って塩に漬けてから適当に割りニンニク、生姜、ねぎの千切り、唐辛子粉、砂糖、調味料少々を入れてあみの塩辛やいわしの塩辛で味をみて和える。かめに盛ってしっかり押してふたをした後、日陰で 1~2日おいて食べる。
ペッキムチ
唐辛子粉を入れずに、白くつけたキムチで辛いものを食べることができない患者や子供などのために特別に漬けたキムチ。 白菜を丸ごと塩水に漬けてから、白菜の根元に大根千切り、せり、松の実、梨、栗、糸唐辛子、岩茸、ニンニク、生姜、かき、海老などを葉の中に入れて、塩水を注いで辛くないように漬ける。
パキムチ
ワケギをヤンニョんで和えて漬けたキムチ。 ワケギの束は、泥を落とし根を切り、きれいに洗って軽く塩を振っておく。 ニンニク、生姜を切り刻んで、いわしの塩辛やアミの塩辛を準備する。 塩に漬けたワケギに ニンニク、生姜、塩辛、唐辛子粉を入れて和えて凉しい所でおく。 ワケギを長いまま和えて漬け、食べる時は、 23個を取り出し結んで皿に盛れば楽で恰好も良い。 立冬前後の漬ければ冬中食べることができる。
ポッサムキムチ
松の実、栗、大根、カキ、唐辛子などを白菜で包んで漬け込む白菜包みキムチ。
このキムチは開城地方の郷土料理として有名で開城の白菜が他の地方のより長く葉が大きくて包むのに適している。
漬け方は塩漬けした白菜を水で洗い4cmくらいの長さに切る。大根は角切りにしておく。イカは皮をむいて2cmくらいに切っておく。梨、栗、ねぎ、にんにく、唐辛子、生姜は千切りして椎茸も水につけた後千切りしておく。ナツメは水に戻して種を取り除いてすっておく。乾燥メンタイも水に戻して皮をむいて骨を取った後細く割いておく。
次に大きな白菜の葉を何枚か選んでそこに準備したものを入れる。メンタイとイカをのせ松の実を何個か間に入れて最後に大根の角切りを2,3片置いて葉で包む。そうやって入れ物に入れていって最後に塩水をかけて封をする。
チャンキムチ
醤油に漬けた大根と白菜をさまざまな材料と交ぜて醤油で味付けしたキムチ。栗、ナツメ、松の実、岩茸などの材料を使い主に宮中で食べられたキムチだ。正月や秋夕に漬けて、塩辛や唐辛子粉は使わない。  材料は白菜の芯1株、大根 1/2個、シイタケ 4個、岩茸 4個、栗 6個、ナツメ 6個、 梨 1/2個、せり 50g、束ねぎ 3根、丸ごとのニンニク、生姜、糸唐辛子など。キムチ汁の材料は醤油、沸かして冷やした水、砂糖。
作る方法は、大根と白菜はきれいに洗い、横 2.5cm、縦 3.5cmの大きさに薄めに切る。 醤油を使って漬ける。岩茸、シイタケ、栗、ナツメ、梨、ニンニク、生姜は千切り。せり、ねぎは3〜4cm 長さに切る。白菜と大根を簡単に塩づけする。醤油に沸かして冷やした水を注いで砂糖を入れる。キムチの汁に準備した材料を皆つけた後、塩加減をみる。松の実と糸唐辛子をのせて漬けておく。
キムチの歴史
韓国だけの独特な醗酵食品であるキムチは自然環境と先祖の賢い知恵から始まる。韓民族は、農耕民族として穀物主の食生活を営みながら野菜を好んで食べてきた。韓国は清明な気候と山水が豊かで野菜が軟らかくて香味もすぐれている。また四季折々で多様な野菜を楽しむことができるが野菜の少ない冬季には、保存も難しく、乾燥処理や塩漬けなど加工に特別な知恵を必要とした。 このように野菜の少ない冬季に保存性を高めるため、長い時間をかけて『キムチ』が作られるようになった。キムチの材料は韓半島で栽培する野菜だけではなく自生する山菜、野の花、青菜など皆利用されてきた。
キムチの効能
キムチに使われるすべての材料たちがそれぞれの機能を持った薬用植物に属するもので、乳酸菌が醗酵中に活性物質を作り出し複合的な機能を持つ。このような機能性物質たちは、現代人の肉と穀物を主とする食生活において不足がちな各種免疫機能を直接または間接的に活性化する助けとなっている。 また醗酵野菜として知られており、国内外の多くの栄養学者たちはキムチを未来の食品の一つとしている。
キムチの栄養
キムチの主材料である白菜、大根、唐辛子、なが葱、ニンニクなどには相当量の多様なビタミンが豊富に含まれているため、私たちが食べるキムチには各種ビタミン群が豊かだ。またキムチは糖質やタンパク質、脂肪のような熱量が多い栄養素の含量が少ないのに比べてカルシウムと無機質が多いアルカリ性食品である。
カルシウム欠乏で悩まされないのもキムチの徳沢だ。だけでなく、キムチをたくさん食べる韓国の人々は、乳酸菌発酵乳を飲まなくてもキムチを通じて乳酸菌を取ることができる。